ネットの広告市場は拡大の一途をたどり、しばらくは安泰と思われていたユーチューバー。
しかし、YouTubeから広告を撤退する企業が増えたことにより心配な様相になってきました。
ユーチューバーの今後を真面目に考察してみました。
YouTubeから広告が撤退?
【速報】Youtuber存続の危機か!?
ウォールストリート・ジャーナルによると、新たにコカコーラ、ペプシコ、ウォルマート(アメリカの大手スーパーマーケット)、スターバックス、GMの各社が「もうYouTubeへの広告出向は止める」と発表。#YoutuberNews pic.twitter.com/6YnIE7Hdpw
— YouTuber News⚡️【公式】 (@YouTuberNews_JP) 2017年3月26日
2017年3月に、世界6位の広告代理店であるフランスのハバスがYouTubeから広告を撤退したと報じられました。
続いてコカコーラやペプシ、ウォルマート、ディッシュ・ネットワーク、スターバックス、GMも撤退を発表しました。
最初は単純に広告の効果がなかったから撤退したのかと思いました。
実際の理由は、企業が好まない内容の動画に広告が表示されていたことでした。
主に差別的だったり、過激なものが原因になった様子です。
通行人にドロップキックをするとかの迷惑動画ではなく(笑)社会的な動画なので日本のユーチューバーは全く関係ありません。
とはいえYouTubeを運営するGoogleの収入が減れば、当然全てのYouTuberに影響が出る可能性があるわけです。
ユーチューバーに渡すお金は、元々企業から集めたお金なのですから、それが減ればお金が足りなくなります。
広告の変化
広告を表示できる動画の種類が限られてくる?
これは、最近の動きとして実際に出てきているようですね。
コレコレさんが配信で発言されていたんですが物申す系動画に広告が貼れなくなってきたとのことです。
「物申す系動画」とは、主にシバターさんがやっているような「カメラの前でユーチューバーが主に他人をディスる動画」です。
実際、こちらのシバターさんの動画は何度再生しても広告が表示されませんでした。
元々シバターさんの動画は広告表示が少ないですが、前よりさらに表示されにくい気がします。
ポリシーが厳しくなる
ポリシーとは、「こんな動画はアップしたらダメですよ」というYouTubeの規約です。
規約が厳しくなってきたとのことで、最近シバターさんは他のYouTuberに意見するような動画をセカンドチャンネルにアップするようになりました。
ポリシー違反でBAN(チャンネル削除)されるリスクを避けるためです。
こういう動画は以前はメインチャンネルで出していましたが、セカンドチャンネルにしています。
この動画の冒頭でシバターさんは「YouTubeの新機能で、他の人に対し攻撃的な動画を違反報告できるようになった」と言っています。
攻撃的な動画が報告の対象なのは何年も前からだったと思いますが、取り締まりが厳しくなったと言うことでしょうか。
総再生数1万回未満は広告が貼れなくなった
以前は再生数に関係なく広告が貼れましたが、2017年4月上旬より広告は総再生数1万回に達してからしか貼れなくなりました。
YouTubeパートナープログラムの内容(外部サイト)
あまりにも再生数が少ない人には心配だから広告を貼らせてあげないよ、という足切り制度ですね。
1本の動画で1万回じゃなくても、100本の動画で合計1万回でもOK。
達成するとすぐ貼れるようになるわけではなく、審査もあります。
1万回という区切りはできてしまいますが、これはなかなか優しいと思います。
収益にすると1000円ぐらい減るだけですから。
とはいえ1万回達成するまでは品行方正な動画しかアップできないわけなので(審査に通るため)、シバターさん系を目指す人は注意してください。
広告切れが起こる
ヒカキンさんの生配信動画。
動画の途中を含め、12回の広告が設定されています。
でも、私が見た時は半分も広告が出ませんでした。
これは広告切れ(表示する広告がない)を起こしていたと考えられます。
ユーチューバーのKUNさんによると、過去にも広告切れがあったそうです。
それは2015年ごろ、YouTubeがテレビCMを大量に流していた頃(好きなことで生きていく、というキャッチコピーで話題でしたね)
さらにその頃は「1再生当たりの広告単価が0.1円から0.025~0.05円に下がった」とシバターさんも動画で言っていました。
この時は広告の数が少なかったと言うより、広告費をCMに使ってしまったのでユーチューバーに渡すお金が減ったのかもしれませんね。
広告切れ(広告費減)はユーチューバーの収入が減る大きな要因です。
外国企業の撤退で今後も広告切れが増える可能性があり、そうなると同時にユーチューバーの収入が下がる可能性が高いです。
そうなるとYouTuberの今後に変化が現れてくるでしょう。
動画タイトルが過激だと広告が出にくい
これもKUNさんが動画で言ってましたが、タイトルに過激なワードが入っている動画は収益が少ないそうです。
以前はそんなことなかったそうですが、Googleが変化させてきた様子。
音声、映像での検知が始まっている
【BF4】最近のFPS広告制限とYoutubeに思う事【KUN】(YouTube)
今のYouTubeは音声認識により動画内容を判断し、自動で広告を剥がすシステムがあるとのこと。
動画内で「ころす」「しぬ」といったワードを言うと広告がなくなってしまうそうです。
しかし、動画内容自体が過激でなければ再審査請求をすれば広告は復活できるとのこと。
また、音声だけでなく映像の検知もあるようで、出血シーンが多いようなゲームをすると広告が剥がされることもあるようです。
しかし、これも再審査請求をすれば復活できるそうです。
今はまだ自動認識システムが完全ではない様子。
追記:このあたりを詳しく記事にしました。
YouTubeで稼げない(収益化できない)動画まとめてみた【規約違反じゃなくても】
ユーチューバーの今後を考察
ジャンルが限られてくる
音声や映像の内容を自動検知して広告を剥がすシステムができてきているので、YouTubeにそぐわないと判断された動画には広告が出なくなるでしょう。
攻撃的だったり、差別的、大人向けの内容では今後稼げなくなると思います。
一方、出血シーンの多いゲームであっても再審査請求をすれば広告が復活するので、今後もゲーム実況についてはあまり制限されないと思います(ただし、あまりに過激なものは除きます)
言葉づかいにも注意が必要になる
音声の自動認識で、過激な単語を言うと広告が剥がされるという現状があります。
再審査請求すれば復活するそうですが、あまりに過激な言葉が多いと再審査に通らない可能性もあるので注意が必要になってくると思います。
動画タイトルはブログ並みに厳しくなる
動画タイトルによって広告が出る出ないが既にあるので、今後もこの流れが続くと考えられます。
というのも、ブログでは既に記事タイトルや記事内に書かれた単語によって広告が出なくなるからです。
動画タイトルでもブログと同じぐらい厳しくなるのではと思います。できれば概要欄の文章にも注意した方が安心です。
「大人向け、暴力的、一般人の名前、差別的」な単語は書かないのが無難。
単語で迷ったらGoogleの検索窓に使いたい単語を入力してみて、予測候補が出たらOKです。
例えば「戦争」と入力すると「戦争 映画」とか自動で出るので「戦争」は使っても良いとわかります。
「にわ○り」みたいな伏字は意味がありません。ちゃんと検知されます。
追記:動画タイトルにYouTuberの名前が入っているだけで広告が出ないケースも出てきました。
「Hikakin」「ジョーブログ」がダメなことは確認、「けんき」はOKだったそうです。
物申す系の人はさらに厳しくなりました。
Youtube運営側の規制で物申す系Youtuberもう無理かも【KUN】(YouTube)
タイアップをさらに狙うようになる
例えばヒカキンさんクラスになると、YouTubeからの広告収益よりもタイアップ動画で企業からもらうお金の方が多いと言われています。
YouTubeの稼ぎ方といえば「YouTubeからの広告収入」でしたが、広告を貼れる条件が厳しくなってきているので今後はさらに「有名になってタイアップ案件をもらうこと」が重要になってくるかもしれません。
そうなると、タイアップのつきにくいジャンル(物申す系、街中で暴れる系など)のユーチューバーは不利になってきそうです。
UUUMなどの事務所が大盛況
みんながタイアップを求めるようになれば、案件を紹介してくれる事務所は欠かせないものになります。
今以上にUUUMなどの事務所にユーチューバーが殺到するでしょう。
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UUUMネットワークのメリット 入った方が良い9つの理由
はじめしゃちょーやHIKAKINさん等の大人気YouTuber(ユーチューバー)がメンバーとして名前を連ねる「UUUM」が運営する「UUUMネットワーク」。 「収益の20%を持っていかれる」「入っても ...
みずにゃんさんはこちらの動画で、以前より広告が表示されにくくなって収益が下がったことを話しています。
その中で、「独自に調査したところ某U社に所属しているYouTuberは比較的広告が表示されている」と言っています。
U社とはどう考えてもUUUMですよね。一方、G社やV社は他と変わらないとのこと。
UUUMに所属している人は過激な動画をアップしないというのもあり、企業側からしても「UUUMに所属しているYouTuberなら安心して広告を出稿できる」ということにもなると思います。
いわばUUUMに所属しているこということは「安全なYouTuberである」というお墨付きを得られることでもあると思います。
これからは特に、他の事務所よりはUUUMに所属する方が有利になっていくのではと考えられます。
YouTuberはいなくならない
上に書いたように、例えばヒカキンさんはタイアップ動画の方が収益が大きいので、YouTubeの広告単価が下がっても大して痛くありません。
単価が下がっても今までと同じようにユーチューバーを続けることでしょう。
ヒカキンさんクラスまでいかなくてもタイアップ案件はあるので、YouTuberがいなくなることはありません。
YouTubeのような動画サイトもなくならない
よくユーチューバーに対して「YouTubeなんて明日なくなるかもしれないのに」という書き込みを見ますが、そんなわけないと私は思います。
需要があるものは無くなるはずがないからです。
YouTubeが無くなるとしたら、YouTubeを超える動画サイトが出てきた時だと思います。
例えばニコニコ動画はYouTubeが全盛になってから昔ほどの勢いはなくなりました。
次はYouTubeをおびやかす動画サイトが出てくるかもしれません。
でも、それは必ずしもユーチューバーまでおびやかすものではないと思います。
YouTubeを超える媒体が出てきたなら、そちらに移ればいいだけなので。
ニコニコで人気だった人がYouTubeへ移った例はたくさんあります(恭ちゃんとか)
ユーチューバーが気にすべきはYouTubeがなくなることではなく、「動画に広告が付くかどうか」、「タイアップがもらえるか」です。
これからユーチューバーになりたい人は
YouTubeのような動画サイト自体はなくならないので、広告がつきやすくタイアップ案件をもらいやすい、品行方正なユーチューバーを目指すのが安全だと言えます。
ヒカキンさんやおるたなchannelなど、いかにもUUUMというユーチューバー。
品行方正だと
・広告が貼られやすい
・UUUMなどの事務所に入りやすい
・タイアップをもらいやすい
と、良いことずくめです。
ただ、そのぶんライバルが多そうではあります。
あえてシバターさんのような邪道を行って、人気と知名度だけで勝負するという道もあります。
ただ、人気と知名度を得るまでの収益は期待できません。
私は、もし自分の子供が「YouTuberになりたい!」と言ってきたら反対しますね(笑)
でも、どうしてもやりたいと言うのであれば顔出し無しのゲーム実況者になれと言います。
顔を出さないのでリスクが少なく、広告単価も高いですからね。
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まとめ
ネットの広告市場は拡大していますが、YouTubeの動画広告が貼れる動画は限られていくでしょう。
しかし、広告市場自体が拡大しているということは「YouTuberに商品を紹介してもらいたい!」という企業は今後も増えていくと思います。
YouTubeを視聴する人口も増えています。
物申す系や過激系ユーチューバーが稼ぐのは難しくなっていきそうですが、そうでないユーチューバーにとってはこれからも稼ぎやすいと思います。
今から目指す人は、UUUMに入れるようなYouTuberを目指すのが最も安心な道と言えます。
でもリスクも高いのでじゅうぶんお気をつけくださいね。
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おしまい。